コーヒー焙煎の選び方 — 浅煎りから深煎りまで
2026年1月8日 / 山田 健
コーヒーの味は、豆の種類で半分、焙煎で残りの半分が決まる。僕はそう思っています。同じエチオピア・イルガチェフェでも、浅く焼けば紅茶みたいな酸味が出るし、深く焼けばチョコレートっぽい苦味に変わる。別の飲み物かと思うぐらい違います。
浅煎り(ライトロースト〜シナモンロースト)
豆の色は薄い茶色。酸味がはっきり出ます。果物っぽいと言う人が多い。エチオピアやケニアの豆を浅煎りにすると、ベリーや柑橘の香りがして、紅茶が好きな人にはハマりやすいです。ただし、抽出をミスると酸っぱいだけになる。お湯の温度は92〜94℃がいいです。沸騰直後だと雑味が出ます。
うちの店では浅煎りは少なめにしています。理由は単純で、ケーキに合わせづらいから。ショートケーキの甘さと浅煎りの酸味がぶつかって、どっちつかずになることがある。浅煎り単体で飲むなら最高ですが。
中煎り(ミディアム〜ハイロースト)
一番バランスが取れる焙煎度。酸味と苦味のどちらも残っていて、豆の個性も消えない。うちのハウスブレンドはこのあたりで焼いています。エチオピアとグアテマラの6:4ブレンドで、ナッツっぽい甘さとほんのり柑橘の香り。ケーキにもパンにも合います。
初めてスペシャルティコーヒーを飲む人には中煎りをすすめています。浅煎りの酸味が苦手な人でも受け入れやすいし、深煎りほど重くない。迷ったらここから入るのが間違いないです。
深煎り(フルシティ〜フレンチロースト)
豆は焦げ茶色で、表面に油が浮いてくる。苦味が主役になって、酸味はほぼ消えます。ブラジルやインドネシアの豆を深煎りにすると、ダークチョコレートやスモーキーな風味が出る。カフェラテやカプチーノには深煎りのほうが合います。ミルクに負けないので。
フォンダンショコラやガトーショコラと深煎りコーヒーの組み合わせは個人的に好きです。チョコ×チョコでくどいと思うかもしれませんが、コーヒーの苦味がケーキの甘さを切ってくれて、意外とすっきり。
結局どれがいいのか
正直なところ、正解はないです。好みの問題だから。ただ、「酸味が苦手」と言う人の8割は、浅煎りのまずい淹れ方に当たっただけだと思っています。うちに来たら、同じ豆の浅煎りと中煎りを飲み比べてみてください。100円で追加の小さいカップを出せます。口で説明するより、飲んだほうが早い。
焙煎の違いが分かると、コーヒー屋での注文がもっと楽になります。「中深煎りのシングルオリジンをください」って言えたら、だいたいハズレは引きません。
